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2012-08-09

好きなエッセイスト? 小田島雄志

先日、Amazonからのメールで知り、小田島雄志の『ぼくは人生の観客です(私の履歴書)』(日本経済新聞出版社)をhontoで買いました。

小田島雄志をご存知でしょうか。東大名誉教授、演劇評論家などの肩書を持っている方です。シェイクスピアの全戯曲を翻訳しています。全戯曲を翻訳した人は、坪内逍遥に次いで二人目です。3番目(最新)は、松岡和子です。

25歳のときに小田島雄志の『シェイクスピアより愛をこめて』(晶文社)を読み、小田島雄志のファンになりました。小田島雄志が全訳した『シェイクスピア全集』(白水社)を順次購入して、小田島訳の全戯曲を読みました。

今回買った本の帯に、次の文章がありました。

「たとえば、ある芝居の場つなぎに出てきた老夫婦の会話。おじいさんが空を見上げて、「今夜は月がきれいだなあ」と言うと、おばあさんがチラッと上に向けた目をすぐおろして、「あんたってお金がなくなると詩人になるのね」。ああ、人間ってそんなもんだな、とぼくは思った。その話を、都はるみさんにして、「ぼくは風呂に入ると歌手になるんだ」と言ったら、はるみさんは、「私は歌っていると、ときどき(歌詞が出てこなくて、とっさに)作詞家になるの」と応じてくれた。そう、人間は可能性の動物なのである。(本文より)」

こういう文を読んでいると楽しくなります。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こうゆう文章を時々紹介してください。読んでて面白い。読むだけでなく普段の会話で使えるようになると人生面白くなるのだが。そうゆう友人をいっぱい作りたい。

tmn さんのコメント...

書き洩らしました。本のタイトルが『ぼくは人生の観客です』となっています。人生の観客という主体性のないような表現になっていますが、小田島雄志さんは、年に300回程度、演劇を観ているそうです。そのため、このようなタイトルにしたと思います。